何回もなまえには助けられた。
だが1回だけ俺を庇って負傷したことがある。多分俺は避けられた。でもなまえは俺の前に立った。
だけど俺も逆の立場なら同じことをしていただろう。




***




「なまえを異動させろと?」


「そうだ」


「理由は?」




エルヴィンになまえを調査兵団から異動させたい旨を伝えに行った。
なまえはいつか戦場で、俺の目の前で死ぬかもしれない。何故かわからないがそれだけは避けたくて。ここ以外なら簡単に死にはしないし。




「…使えねーからだよ」


「いや、彼女はかなり優秀だろう。君の補佐もしっかりこなしているし、彼女が調査兵団に必要なことは君が誰よりもわかっているだろう。私情を挟むな」


「……私情、か。変な話をして悪かった」


「別に構わないさ」




なまえも調査兵団が、巨人を討伐することが好きだから異動となってもエルヴィンに反論するだろう。
結局どちらも俺には納得させられないと判断して諦めた。



…だったら俺が守ればいいのか。
基本的にいつもなまえと組まされるということは俺がいつでもなまえを守れると言うことだ。




「なんだ、簡単なことじゃねぇか」




***




「でね、なまえってばすごーくかわいいの!目に涙いっぱい溜めて『嫌な夢見て寝れないから一緒に寝ていい?』って。思わず抱き締めちゃったよ!」




クソ眼鏡はなまえの話をよくする。
途中で止めに入らなければ巨人の話と同じくらい永遠と彼女のことを語るだろう。
しかも全部ノロケのような自慢話ばかり。何か知らねぇがノロケてるときは眼鏡をかち割りたくなる。




「何で俺にそんな話するんだ?」


「んー、だってリヴァイが聞きたいと思って、なまえのプライベートな話」


「何でだよ」




別に聞きたくねぇと言うが楽しそうにニヤニヤしてる眼鏡が本当にイライラする。




「だってリヴァイ、なまえのこと好きでしょ?」


「…んなわけねーだろ、あんなクズ」


「でもよくなまえのこと見てるじゃない。しかも超優しい顔で。幸い本人は気づいてないけどなまえと話してるとよくリヴァイの熱い視線を感じるし」




素直になれないかわいそうなリヴァイに幸せのお裾分けだよ、と言う。




初めて欲しいと思ったんだ


(馬鹿言うなクソ眼鏡、削ぐぞ)
(おー怖い怖い!)
(好きじゃねぇ。…っていうか好きって何だ?)
(まずそこから!?)






-END-





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