「手応え無さ過ぎて残念だった。少しって言うかだいぶ物足りないかも」


「…なまえって頭おかしいよね。ほとんどここにいる人間は憎しみで戦ってるのに君は違う。戦いを楽しんでるように見えるよ」


「うーん。楽しんでるつもりはないんだけど、巨人を殺すときのスリルは好き」


「本当クレイジーだよ、リヴァイもそう思うよね?」


「どうでもいい」




なまえをよく見れば遺体を運ぶときに付いた遺体の血痕のみで明らかな外傷はなさそうだ。
血で汚れてて汚いはずなのに、汚いと思わなかった。
むしろ綺麗だと思った。
こんな感情は初めてで、



俺がなまえに興味を持った瞬間だった。



それからよくよくなまえを観察すればただの巨人殺し好きの単細胞な馬鹿、ではなさそうだった。
書類を書き上げるのも早いし上手くまとめている、周りを見て行動できてるし的確に指示も出せる。
思えば座学はトップだったかもしれない。

戦いでいつの間にかよくコンビを組まされるようになり自然と奴を知ってった。



戦うのが好き、派手に暴れるのが好き、無茶をするのが好き、仲間思いで見殺しに出来ない、仲間の為に自分を犠牲にできる、咄嗟に的確な判断、指示が出せる、討伐補佐も出来る。



気がつけば周りの奴らはどんどんいなくなって俺は兵長に、なまえは副兵長になっていた。




「リヴァイへいちょー就任おめでとうございます」


「お前が兵長って付けるなんて気持ち悪い、あと敬語もだ」


「気持ち悪いってひどい。一応仕事中は敬語だし兵長って呼ぶからね。っていうかリヴァイが兵長とかって」




笑えるわ、となまえは笑う。




「お前が副兵長だってことの方が笑えるし気にくわねぇ」


「ストレートに言うねぇ」




なまえとは少しずつ話すようになり俺が暴言を吐いても奴はめげないし影ながらサポートしてくれることも多く何でもやりやすかった。




「まぁ、リヴァイが嫌がってもわたしが兵士長補佐なことにかわりはないからね。わたしは貴方の手となり足となりサポートしますから何なりとお申し付け下さいね」




「クズが、足引っ張んなよ」


「頑張りまーす」




なまえと組むと戦いやすかった。暴走するのは困った癖だが別に俺に被害あるわけでもなく一人で討伐している。かと思えばいいタイミングで援護してきたり。

俺が背中を預けられる唯一の奴だ。





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