ペトラちゃんはリヴァイにお辞儀をして兵舎の中へ入っていく。
あーもう嫌だ、タイミングが悪すぎる。




「今はリヴァイに会いたくないなぁ」




見つからないように逃げようとした瞬間ばっちり目が合った。
時すでにに遅し。




「なまえか?こんな時間に何してるんだお前」




先に声をかけたのはリヴァイだった。
こんな腫れぼったい目を見られたくなくて氷を隠して下を向く。




「わたしが何してようがリヴァイには関係ないでしょ」


「…まぁそうだな。お前が何してたかなんて俺には関係ないな」




何なんだこの男は。




「リヴァイだってこんな夜遅くまでペトラちゃんと何してたの?」


「お前に関係ないだろ」




わたしと同じように返してきた。
というよりわたしがいつものリヴァイを真似しただからリヴァイはいつも通り返答をしただけ。
いつもなら聞き流せる『お前には関係ない』と言う言葉は今のわたしには重くてまた泣きそうになった。




「そうですよね。リヴァイが何してたかなんてわたしには関係ないです。じゃあわたしはもう寝るから、おやすみなさい」


「おい、どうしたなまえ。何かあったのか」




足早に兵舎へ入ろうとするがリヴァイに片手を掴まれる。
普段ならそのままわたしを放っといてくれるのに、何でこういうときはスルーしてくれないの?
何かあったのかって、あんたのせいでしょうが。




「離して」




リヴァイの手を振り払って兵舎へと入る。
わたしは振り返ることもせず部屋へと戻ったけど足音も聞こえなかったからリヴァイは追いかけては来なかったのだろう。




「なまえ、リヴァイが追いかけて来るなんて…そんなこと期待してたわけじゃないでしょ」




独り言が質素な部屋の中で響く。




もう勝手に期待しないって自惚れないって決めたんだから。
リヴァイが追いかけて来ないなんてことはわかりきってたことじゃない。




君の些細な言動が心を揺らす



(おい、エルヴィン!)
(リヴァイか、こんな夜遅くにどうした?)
(此処になまえが来ただろう?)
(何故そう思う?)
(あいつの匂いがする)
(そうか。…なぁ、リヴァイ。もう少しなまえに優しくしてやったらどうだ。女性を泣かせるのはどうかと思うぞ)
(どういう意味だ、それ)
(自分で考えろ)



-END-





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