団長相手に何言ってるんだろう、と思いながらカップに口を付ける。
うん、ちょうどいい温度。甘くて美味しい。




「まあな。でも私はなまえだってかわいいと思うし仕事もできて強くていいと思うぞ。…壁外調査でリヴァイが背中を預けられるのは君だけだ。それだけじゃ不満か?」




団長は多分わかってるんだろう。わたしがリヴァイに恋心を抱いていることを。




「ありがとう団長。…不満じゃないの。むしろこんなに幸せなことはないけど、こういう考えしか出来ない自分が、嫌いなの」




涙を堪えようとする。
だけど堪えろ、という自分の意思とは反対に涙はどんどん溢れてくる。




「なまえは自分を過小評価し過ぎだ。もっと自分に自信を持て」


「むり…」




自分が嫌過ぎて泣いた。
何も言わずに近づいてきた団長はわたしを抱き締め、わたしも団長の背中に手を回す。
わたしが誰かに甘えることなんて滅多にない。副兵士長という肩書きもあるし迂闊に弱さとか見せられないと思ってる。リヴァイは勿論、…まぁハンジには壁外調査後に甘えるけど、それ以外はないし。
だからたまには誰かに甘えたって罰は当たらないだろう、そう思いながら団長の胸を借りて泣いた。




「…っく。だんちょ、ありがと」


「気にするな」




***




「団長、ありがとうございました。あー、泣いてすっきりしたしそろそろ帰って寝る!夜遅くまでお邪魔しました」


「別に構わないさ。ただ考え過ぎるのはあまり良くない。気にし過ぎるな」


「頑張る」




あれから何分くらい経っただろうか。散々泣いて満足して落ち着いたから部屋へ戻ることにした。
部屋を出るときに明日の朝目が腫れないように、と団長がくれた氷で目元を冷やしながら兵舎へと戻ると入り口に見たことがある二人がいる。




「リヴァイと、ペトラちゃん?」





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