「あ、すみません。兵長に用事があったこと思い出して戻って来たんですが…。今お取り込み中みたいなんでまた後で来ますね」




開いたドアの向こうには申し訳なさそうな表情のペトラちゃん。




「いや、今でいい。何だ?」


「すみません失礼します。先日の壁外調査の件なんですけど…」




資料を片手にリヴァイの隣へ行くペトラちゃんを見てそういえばまだ仕事残ってたっけ、と自分の席へ戻る。
まあね、わたしとリヴァイはどうでもいいことを話していたわけだからペトラちゃんを優先するのは当たり前だ。




「似合ってるな」




二人が話している光景を見て素直にそう思った、自分が嫌だ。
ただ一回、しかも過ちに浮かれていたのかもしれない。
別にリヴァイにとってわたしはただ少しは話しやすい同期で、ただのコンビで、ただの副兵長でしかなくて。ペトラちゃんなんかいかにも女の子って感じでかわいいし仕事できるし守りたくなる感じだし。

リヴァイもきっと…




「わたしもう上がるね。最後戸締まりよろしく」




仕事は残っていたけどこんな気持ちでやっても進まないし内容がひどくなって結局戻ってくるだろう。だから続きはまた明日にしよう。
この空間にいるのが辛くなって逃げ出した。




***




「で、何で私なんだ?」




ずずず、と鼻をすする。




「ハンジが捕獲した巨人のとこに行ってていないから」


「ハンジのかわりか。で、何があったんだ?」




団長はホットミルクをカップに入れてわたしに差し出してくれた。




「ありがとう。…あのさ、ペトラちゃんってさかわいいよね」


「ペトラ・ラルのことか?」


「うん、かわいいし仕事できるし強いけど守りたくなる感じだし」






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