確かにもう訓練するしかない。ただでさえ女ってことで男より不利なのに。
でもそう思った時点で終わりだ。男女の体格差なんて頑張れば…。
気づけば一筋の涙が零れていた。
「泣くなクズが」
リヴァイは本を読み終わったらしく閉じて机に置く。
「…お前は充分強いと俺は思う。確かに死にかけはしたが俺が助けなくてもお前なら自力でどうにか出来たと思ってる。俺だってお前に何回も助けられてる。だから久々に助けられたくらいで気に病むな」
「ありがとう」
立ち上がったリヴァイはベッドへ入り「ほら、来い」なんて言う。
「わたし椅子で寝るから大丈夫だよ」
リヴァイは潔癖症だ。人と同じベッドなんて嫌なはず。
人のぬくもりを感じて寝たいところではあるんだけど、さすがにリヴァイと一緒に寝るのは彼が可哀想すぎる。
「潔癖症がどーのこーのって思ってんのか?ここ来る前に風呂入ったならいい。添い寝して欲しいんだろ?してやるよ」
ごくっと生唾を飲む。
どうしようどうしようどうしよう
リヴァイが可哀想、だけど
こんな機会もう二度と訪れないかもしれない…。
「お、おじゃまします」
リヴァイのベッドにもぞもぞと入る。
…温かい。
リヴァイの方を向いて寝るなんて恥ずかしくて出来ないから彼に背を向ける。
「お前が死にそうになったら俺が守るから心配すんな」
「…それじゃあ駄目だよ。わたしだって我等が兵長殿を死んでも守るつもりなんだから」
[*前] | [次#]
戻る