「はー、壁外調査前の会議ほど苦痛なものはないと思うのよ」
「なまえってやる気ないわりにちゃんと作戦理解してるよね?これに幹部が出ないと壁外調査が上手くいかないのちゃんとわかってるじゃない」
「死にたくはないし。でもわたし'副'兵士長だしこの会議にいらなくない?あーもー」
あえて副を強調する。
会議中は欠伸を噛み殺していたがやっと終わったから盛大に欠伸をして渡された資料をパラパラと捲る。お堅い文章でやる気なくなっちゃう。
壁外調査は好き。巨人をバンバン殺せるし。あんな平地で巨人と遭遇したら人間は圧倒的に不利、だけどその状況から必死に勝つ方法を考えるのが好き。でも仲間もたくさん死んでいくし遺体も回収できない、そういうところは嫌い。あと…。
「久々に平地で巨人薙ぎ倒すリヴァイ見られるのかー楽しみ!」
「あのさ、私たちはなるべく巨人と出会わないこと、戦わないこととしてるけどなまえたちも同じだよね?」
「いや、わたしはばりばり戦ってるけど?」
「なまえは生き急いでるのかな?」
「え?何で?」
珍しくハンジの呆れ顔を見た。わたしたち調査兵団は壁外調査などに出た際、巨人となるべく遭遇しないこと、戦わないこととしている。だけどわたしは面倒臭い、とか深い傷を負ってない限りは巨人を見つけたら即討伐をモットーにしている。
「だって、万年人員不足の調査兵団でわたしが殺さなかった巨人が他の兵士を追いかけてその人たちのこと殺したらまた人員不足になるじゃない?仕事が増えるし。わたしだって考えがあって戦ってるわけよ」
はいはい、と話をスルーされた。
ハンジのクソ眼鏡。
「お前が巨人に会うと派手に暴れて無茶な戦い方しやがるからこっちは大変なんだよ」
ばしっと後ろから頭を叩かれる。恐らく会議資料を丸めたもの、かなり痛い。紙をここまで凶器に出来る人なんてわたしは一人しか知らない。振り向いた先には予想通り紙筒を持ったリヴァイ。
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