「一瞬でもいいから愛してくれないかな」


「なまえ…、一瞬は無理じゃないかな」


「うるさい!わかってます!」




机に突っ伏して汗をかいたビールグラスに触れる。




「リヴァイ…」


「なまえ?おーい、なまえ!運ぶの大変だから此処で寝ないでよ!!おーい!」




***




なまえはすごい。身長だって確か155くらい、おんぶしてても軽いし。私より全然小さいのに、強い。リヴァイと遜色ないと思う。
皆から見れば憧れの女副兵士長だけど、私から見れば彼女はとてもネガティブで自分に自信が無くて恋する乙女で、ただの女の子なのだ。

相手はどうかと思うが私はなまえの恋を応援したい。




「あー、軽いけど重い。私も少しは酔ってるからこの距離はつらいなぁ。…ってあれ?リヴァイー!!」




前方にリヴァイっぽい人影を発見し声をかける。その人物は足を止め振り返るその不機嫌顔は紛れもなくリヴァイだ。




「何だクソ眼鏡か」


「ひどっ!いきなりひどっ!何してんの?」


「何でお前に言う必要がある?」


「うん、私も貴方が何してようがどうでもいいんだけどさ。兵舎に帰ってる途中だった?」


「…」


「図星だね?丁度いい、私疲れちゃったからかわりになまえを兵舎まで運んで」




リヴァイの向かう足は私と同じ方向。勝手に帰るんだと判断。
なまえのことを頼むと今気づいた、というような顔をした。
あれ、見えてなかったのか?




「…俺はそんなクズ連れてかねぇぞ」


「そっかぁ、じゃあここに寝かせて置いていくね(嘘だけど)」


「貸せ」




速答だよ。まったくリヴァイも素直じゃないね。
私はリヴァイもなまえを好きなんだと勝手に思ってるんだけどさ、早くくっつかないかなぁこの二人。




「何だニヤニヤしやがって」


「何でもないよ。見てわかると思うけどさ、今日なまえと飲んだんだよー。いいでしょ。あ、今日彼氏と別れたらしいよ、チャンスじゃん」


「…黙れ、削ぐぞ」


「リヴァイもなまえも本当ひどいなぁ」


「り、ば…い…」




愛して、が零れた



(あれー?今なまえがリヴァイのこと呼ばなかったぁ?)
(聞こえねぇよ、)
(照れんなって)



-END-





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