「臨也さん、女の子の部屋に勝手に入るのは犯罪ですよ?死んでしまえ」
「ひどいなあ。何時間経っても顔見せに来てくれないから心配して見に来たのに」
『心配して』っていう言葉に惑わされちゃ駄目だ。この人は悪魔なんだから。
「心配してくれてありがとーございますー。って言うかなんであんな笑ってたんですか」
「いや、部屋に入ったらキーボードに顔置いて寝ててどんどん文字打たれるのがおもしろくてさ」
「おもしろい要素皆無なんですけど。頭大丈夫ですか?」
パソコンの隣(床)に置いてあった(落ちてたともいう)鏡を手に取って自分の顔を見る。
薄くなったみたいだけどまだ少しキーボードの跡がついた頬がうつる。
「しかもなまえが寝たのは15時くらいかな?すごいよねぇ。素敵なパソコンウィルスを作った上に俺の頼んだ仕事も合わせて6時間、7時間で全部終わらせるなんて」
人間の出来る技とは思えないよ、意地悪く笑みを浮かべる。
だけどそんな嫌味じみた言葉より引っ掛かる言葉があった。
今回の仕事の内容は臨也さんに言ってないはず。なのに何故ウィルスを作ったことを知ってるのか。
…どこからか情報が漏れている?
臨也さんほどじゃないけど私だって自分の情報が漏れないよういろんなこと気を付けてるつもりなんだけどな。
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