「やだなあ。君の仕事が忙しいからって『はいそうですか、じゃあその仕事頑張ってね』なーんて俺が言うと思う?甘いなあ」
「…」
けらけらと楽しそうに笑う奴が目の前に一人。
そうだった…。この人はそういう人間だった。
それに臨也さんの手伝いのためにここにいるわけだから断るわけにもいかない。
諦めて臨也さんから差し出された資料を受けとる。
「なまえならきっとできる。じゃあよろしくー。でも仕事のし過ぎで干からびると悪いからたまには生存確認のために顔見せに来てねー」
「…」
「ありゃ、もう仕事モード?これなら心配いらないね」
***
「はっ!!」
寝てた?
窓の外を見れば夕日が落ちかけていて目の前のパソコンで時間を確認したら17時。
画面をよく見ればわけのわからない文字が打たれている。
知らないうちにキーボードの上で寝ちゃってこうなったんだろう。
「…最悪。もっと場所選んで寝ろよ。私のどあほ」
「ぷっ」
「?」
この部屋には今私一人しかいないはずなのに臨也さんみたいな声が聞こえた。
まさかね、
…恐る恐る後ろを振り返れば声を殺して笑ってる彼がいた。
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