「あーぁ、波江のせいでなまえ怒っちゃったじゃん」


「…私のせいじゃないわよ」


「ごちそーさま」




臨也さんのと自分の食器を流しに運んで洗う。

その間も波江さんと臨也のこちらをうかがうようなひそひそ話が続いている。

なんかイライラする。

食器洗いが終わったら外の空気でも吸ってこようかな、とか考えているとリビングから話し声がなくなったことに気がつく。




「波江ならもう仕事始めたよ」




気になってリビングを見たら臨也さんしか見えなかった。
臨也さんもちょうどパソコンに向かおうとしているところで目が合う。




「なまえの今日のご予定は?」


「えっと…。そろそろ締め切りの仕事に手を付ける予定です」


「へぇ。その仕事大変?」


「大変です」




洗い終わってやっぱり外に行くのはやめようとか考えながら臨也さんの方へ向かう。
一方臨也さんはそうなんだー、なんて私の言葉ににわかに返事をしながら机の上の大量の紙をあさり始める。




「じゃあこれやっといてね。今日中」


「はい?」




あたしは仕事が忙しいと言ってたのが聞こえなかったのだろうか?
50枚くらいの紙の束×10くらいの量の資料を差し出された。

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