「なまえ」


「臨也さん。どうしてここに?」


「お姫様の迎えに来たの。さ、帰るよ?」




臨也さんが手を差し出してくる。
えっと、お姫様って私のことかな?




「わざわざありがとうございます」


「いえいえ、たまたまこっちに用事があってさ。なまえが今日仕事ここであるってわかってたしついでだよ」




今日臨也さんがこっちに用事があったなんて聞いてない。

うーん…。
静雄さんとじゃれたのかな?




「どうしたの?早く帰ろう?」

「はい」




思考を一時中断して臨也さんのとなりへといく(もちろん差し出された手はスルー)。

もちろん臨也さんが2本も傘を持ってるわけがないから1本の傘に2人入る。

臨也さんが気を遣って私の方に傘を傾けてくれて雨が当たらないようにしてくれた。




「ちゃんと臨也さんも傘に入ってください」


「俺は濡れても平気だからいいの。雨で濡れてテンションがた落ちのなまえほどひどいものはないからさ」


「その言い方がひどいです。…じゃあなるべく臨也さんにくっついて自分をちっちゃくします」


「ちっちゃくって…」




2人の肩の距離は身長差を伸ばせばほぼ0。
臨也さんが濡れるのは嫌だからね。だから近づいてるだけだよ!




「ありがと」


「いえいえ」


「俺ら端から見たら恋人に見えそうだよね」


「うるさい黙れ」




同じことを考えてしまった自分を残念に思いました。




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