「そんなこと!?」


「重大な問題です!!」


「だったら俺がデータも消さないでちゃんと移動させるよ。それで問題ない?」




不安そうだった目がとたんにキラキラして俺の手をとる。




「本当ですか!?それならいいですよ!」




こうして俺たちの同居生活が始まった。



***



「なーんかさ。もう4年かーって感じない?」


「どうしたんですかいきなり」


「いや、何となく」



「そうですね…。ここ来るまでは時間経つの遅かったけど今は毎日が楽しくて時間が経つのが早いです」


「なまえが楽しんでるみたいでよかったよ」


「楽しい生活をありがとうございます」


「いえいえこちらこそ」


「これからもよろしくお願いします」


「よろしくねー」



***



「むぅ…」




さて、どうしよう。

取引先との話が終了して帰ろうとすればぽつぽつと肌に冷たいものが当たる。




「…最悪」




大嫌いな雨が降ってきた。

いつもなら晴れていても折り畳み傘を持ち歩くんだけど鞄をかえた時に入れ替え忘れたみたい。




「タイミングの悪さが笑えるよね」




なーんて言ってみるけど全然笑えない。
辺りを見渡せば傘をさしてる人は少なくてほとんどの人は走りながら目の前を通り過ぎる。

なんで雨が肌に付着して平気なんだろう。
私は空から降ってくるわけのわからない液体(雨)で体が濡れるのが本当に嫌。シャワーとかは大丈夫だけど雨だけが駄目。
無理をすれば帰れないことはないけど…、あ、傘を買うって手段もある。
でもすぐに止みそうだったから店で時間を潰して雨が止むのを待とうとした。




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