「使いますよ?用途は違いますけどみんな相棒です!」
彼女は自分の子供を撫でるように優しくパソコンを撫でる。
そこで部屋の隅にある廃棄と書かれた大きい箱が目に入る。中には元はパソコンであっただろうバラバラになった機械たち。
それを指差す。
「じゃああれは?」
「一応ゴミ箱です。私が作ったウィルスに耐えられなかった子たち。分解して骨の髄まで見るんです。廃棄なんてかわいそうな事書いてますけど捨てられないんです」
そこら辺に自由に座ってください、と言われベッドに腰かける。
ベッドの上にはうさぎの抱き枕やぬいぐるみがたくさん。
「うさぎ好きなの?」
「大好きです!このかわいさが堪んなくて…」
「へぇ…。ちょっと話戻すけど2年前ウィルスにやられたパソコンもあの廃棄の中にあるの?」
「いえ、あんなへっぽこウィルスにやられる程私が改良したパソコンは弱くないですよ。あのウィルスは遊び半分で初めて作った奴でまさかあんな大事になるって思ってなくて」
懐かしそうに話す彼女。
あのウィルスが彼女が初めて作ったもので遊び半分でばら蒔いたとかすごい。
しかもあんなへっぽこっていうくらいだから今の彼女はもっとレベルが上なわけか…。
そこまでは知らなかった。
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