「今は必要ないですけど、常に流行は知っとくべきです、『今はこんな性能あるんだ』とか『解体してみたいな』とか。楽しいですよ。あ、でも今の1号君から7号君たち皆気に入ってるんで変えるつもりはないですけど」
俺には正直なまえの楽しさがわからない。確かに機能性は大事だと思うけど解体したいとかは思わない。
少し変わった子だよねぇ。
「本当楽しそうだよね」
「えっ、あ、ごめんなさい。変なことをべらべらと」
はっ、と我に返ったみたいに顔を赤くすると俺の脱ぎっぱなしのコートを見つけ、ハンガーに掛けて吊るす。
「気にしないで。あ、コートいつもごめんね」
「ごめんねって言うくらいなら自分で掛けてください。ちょっとパソコン立ち上げてきます」
「いってらっしゃい」
彼女は自分のコートを持って部屋へと戻っていく。
パソコンは常に起動してるのかと思いきや節電の為に出かけるときは電源切ってるんだとか。
別に電気代なんて気にしなくていいのに。
「こうやって見てると君が天才クラッカーには見えないよ」
なまえに聞こえないくらいの声で呟いてみる。
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