「何か変な奴に話逸らされたけど、私みょうじなまえって言うの。貴方たちの来良の先輩ってとこかな。よろしくー」


「「よろしくお願いします」」




帝人君と杏里は軽く頭を下げる。




「あぁ、何で俺はもっと早く、もしくはなまえさんがもっと遅く生まれなかったのだろうか?まあ1歳でもいいんだけど出来れば一緒に入学してめくるめく学園ラブストーリーを…「正臣、うるさいよ」」




きらきらした目をして私の手を握ってきた正臣に対して私より先に帝人君が突っ込みをいれる。
そして杏里ちゃんが困ったように笑って見る。

なんだ、正臣には合わなそうな子たちだと思っちゃったけど案外いい組み合わせだな。
自然に笑みが溢れる。




「どうかしました?」




杏里ちゃんが顔を不思議そうにする。
どうかしたってほどではないけどこの会話のどこに笑うところがあったのかが不思議だったんだろう。




「高校生若いなぁって思って。正臣も高校生活楽しんでるみたいだしね。あ、私ちょっと行かなきゃいけないところあるからそろそろ行くね」




そういえばパソコンを見に行くんだった、と本来の目的を思い出す。




「あの、そのうち俺とデートしてくれませんか?」




もう電気屋へと歩を進めた私を呼び止める。
周りもがやがやしてるからあまり目立たないけれど何人かは大声を出す正臣に驚いてこっちを見る。




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