「なまえって髪きれいだよね」
髪の毛を触られる感じがあった。
訳のわからない文字列を見るのが飽きたから暇潰しの対象をパソコンから私の髪に変えたみたい。
「痛みまくりですよ」
「そんなことないよ?んー、いい匂い」
「…変態。早く髪の毛を解放してください」
少しだけ胸が高鳴ったり。
…って駄目だ。こんなことで集中力切らすな自分!
「なまえは髪切んないの?」
「面倒臭いんで今のところ予定なしです。よーし、おわり」
印刷ボタンを押して臨也さんの方を向く。
「よかったよかった。俺髪長い子が好きなんだよね。だからもう少し伸ばしてほしいかな」
「臨也さん好みになる必要はないからそのうち切りますけどね。それよりリビング戻りましょう。臨也さんが仕事さぼってるからきっと波江さん怒ってますよ」
臨也さんの話を聞いてると彼はこの部屋に2時間はいたことになる。
絶対怒ってるよ波江さん。
リビングに戻る為に立とうとする。
「…何してるんですか」
臨也さんから腕を掴まれた。
「ちょっといい?少しだけー」
どうせまた肩に頭を置いて定位置ー、とか言い出すのかと思って大人しく座ることにした。
でもいつもと違う。
いや、いつもと一緒なんだよ、ただ正面から臨也さんの顔が近づいてきてるだけ。
なのに何かが違うんだよ。
よくわかんないけど女の勘ってやつ?
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