「やっぱみょうじさんと折原君って付き合ってたの!?」


「らしいよー。ってか幼馴染みってだけであそこまで仲いいのもおかしいって思ってたけど」


「確かに。平和島君はなんか知ってる?」


「知らねぇなあ」



***



「臨也とこうやって屋上で授業サボるなんてあたしも不良になったなあ」




屋上には呼び出しなんかでたまに来るけれど、ここから街を見たことなんてないかもしれない。




「早弁したり授業中寝たり十分不良だろ」


「そんなくらいで不良扱いすんな」




屋上から見る景色は案外いい。
何で今まで目を向けなかったんだろうって思うくらいに。




「昨日は後つけたりしてごめん。なまえがデートするって聞いて何かあったら嫌だなって思って、静かに見守るだけの予定だったんだけどなまえに触ろうとしたのにはムカついちゃってね」




「何でムカついたんだろうね?」



先輩があたしに触ろうしたからムカついたっておかしいよね。


だってさ、


それじゃあまるで、




「…わかんないわけ?俺なまえのこと好きなんだよ。本当はひっそり片想いするつもりだったんだけどね…。いい返事もらえないのはわかってるけど他の男のとこになまえがいっちゃうって思ったら言わなきゃって思った」




臨也に彼女がべたべたしてると不快になるあたしの気持ちと一緒じゃない?




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「見えない臓器の名前は」
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