白ひげ新入りナース(6/6) 次の日、また出港しだした船は新入りナースを、もう島へは帰せない事をゆいに物語っていた。 朝起きて、エースと朝食をとる。 食堂へ行けば、新入りナースの集団が既に座っていた。 それを見たエースは、ゆいに言う。 「あんなにナース入ったのか?」 いつもこの時間には先輩はもう食事を済ませている。 ということは、間違えなく新人ナース達だろう。 ゆいは昨日の事を言おうかと思ったが、あの事件以来、またエースに何とかしてもらうのは悪い、と様子を見ることにした。 「うん、9人入ったんだよ。」 「そっか〜、んじゃゆいの仕事も楽になりそうだな。」 笑いかけてくれるエースに、やっぱ言えないな、と思ったゆい。 エースだって何だかんだ言ってゆいと一緒にいるが、本当は隊長である以上、忙しいに決まっているのに… 「そうだね、 そしたらもっとエースと一緒にいれるもんね。」 ニコッと笑うと、エースも凄く嬉しそうに笑う。 何だかんだ言って、エースが笑ってくれれば、辛いことがあったって何も無かったみたいに思えるんだ… 「ほんと、可愛い奴だな〜っ」 いつもの様に、食堂でじゃれ合いながら食事をする2人。 そんな2人を遠い席で視線をやる者達がいた。 「なんであんな子なんだろ?」 「他のナースの先輩の方が、全体可愛いのに。」 「まああの子はナースじゃないけどね。」 「雑用係、エース隊長を同情させたんじゃないの?」 「えー、うそー、やだ〜、 エース隊長 優しいからありえるかもよ〜?」 「ほんと、格好いいよね、 エース隊長の隣は私の方が似合ってるのに。」 「あんなガキ…… エース隊長に一体何したのかしら。」 「まあ今から別れるわよ。」 「そうね。 あの子の場所は、私の場所になるんだから。」 こんな会話がされていた事を、ゆいとエースは知らなかった。 continue... ← | → |