白ひげ新入りナース(5/6) 無事に紹介が終わり、ゆいは新しいナース3人を連れて洗濯場で雑用の説明をする。 「……それで、ここにある洗剤を2カップ入れて、………」 笑顔で説明しているゆいに対してだけ、えらく冷めた視線が向けられる。 先輩もいない事だし、あからさまに怠そうというか、面倒くさそうな顔をしている。 「…それであとは乾すだけ。」 「あの、ゆいさん。」 「あ、はい?」 「あなた、ナースじゃないわよね?」 クスッと笑い声が洗濯場に響く。 何がおかしいのか、そして何が言いたいのかさっぱり解らないゆいは、少し警戒しながら頷いた。 「…まだ子供なのに、どうやってこの船に乗り込めたわけ?」 新入りナースは、3人して同じ視線でゆいを睨む。 わたしは一体、あなたたちに何をしたのですか?と言いたい。 だが、ゆいも負けてはいられないと睨み反す。 「わたしは子供じゃありませんし、確かにナースじゃないですけど、何かあるんですか?」 ナースは大胆に舌打ちをすると、先ほどゆいが持っていた洗剤をバッと下に落とす。 ゆいの服と共に床に零れる洗剤。 「あらごめんなさぁい。 でも洗剤の拭き取り方なんて教えて貰ってないですし〜、」 またクスクス笑う新入りナース達。 ナース服の上から感じる、液状洗剤の冷たさ。 ゆいは唖然となって床を見つめていた。 その間、笑いながらナース達は出て行った。 なんて感じの悪い。 ゆいは一先ず床を拭き、服を着替えた。 そう、こうして始まった新入りナースとゆいとの日々。 ← | → |