春風さらさら(7/8) 「…石鹸?」 うわ、自分は石頭だ… 石鹸 頭に飛んで来ても生きてる…と、しょうもない事を考えるゆい。 「ああ…適当に投げたらカゴに入ると思って投げたら、お前に当たっちまったんだよ。」 悪気はない、と言いたそうにゆいの頭を撫でながら笑うエース。 いやいや、石鹸投げてるとこからダメだろ、と言いたいが、まあ相手が初対面であり、尚且つ隊長クラスの人間になると話しは別だ。 まあ別の別はマルコだが。 「…あたしは大丈夫なんで…そろそろ離してくれません?///」 ガッチリと捕まっているゆい。 「勿体ねぇな。」 小さく何か聞こえた気がしますが、まあ気にしないでおこう。 解放されたゆいは立ち上がる。 それを見たエースは、思わず言った。 「お前、ナースか?」 「バッチリ ナースですよ!」 「…小せぇのな。」 何をストレートに! スーッと立ち上がったエースの視線が気になる。 「エース隊長がでかいだけですよ。」 「そうか? 俺はお前が小さいと思うぜ?」 と笑いながらゆいの頭をポンポンと叩く。 ムッとふて腐れながら洗濯機に視線をやると、ふと思った。 「…ゆい、ですよ」 名乗ってない事を。 それを聞いたエースは一瞬、何かが解らない表情を見せたが、直ぐに何が言いたいのかわかった。 ← | → |