春風さらさら(6/8) 「…生きてるか〜…大丈夫か〜…」 さっきからブツブツと聞こえる、聞き慣れない声。 さっきの人かな? すっと重たい瞼を開ければ、やはり見慣れない人が視界にいた。 「ん…」 「おぉ!生きてた! お前、大丈夫か?痛いか?」 徐々にハッキリとする視界に、ゆいは頬を赤らめた。 「…うわッ// 誰ですか!?近いでしょ!///」 大きな身体に抱えられているゆいの小さな身体。 あー、すまんすまん、と脳天気に笑う若い男。 良く見れば、 「うわ! も、もしかしてエース隊長?//」 彼の腕のタトゥーが全てを物語った。 隊長にいきなり誰ですか、とか恐れ多すぎだ…と頭の中で歎いていると、エースはゆいを見てすまなさそうに言った。 「どっか痛むか?」 何かが当たった頭を優しく撫でるエースの大きな手は、ゆいの胸を圧迫した。 「いや…今はマシです…/// つか、何が飛んで来たんですか?」 「ん?…ああ、これだ。」 すぐそこの床に置いてあった物を拾い、エースはゆいに見せた。 ← | → |