火傷しちゃうぞ!(5/6) 「たりめぇだろ。 言っとくけど俺はでけぇぞ。」 バッチリ理解してる。 凄い笑顔だ。 どこからともなく恥ずかしさが湧き出てくるゆいは、そんなエースの横を素通りして医務室から小走りで立ち去った。 おい、とゆいの出て行ったドアを眺めて頭を掻くエース。 「参ったなあ… ほんと可愛い奴だ。」 「ふふ、エース隊長のデリカシーの無さはゆいには少し効き過ぎちゃったみたいね。」 「はは、しゃあねぇな。 邪魔したな、ナース。」 「ええ。」 そういい、エースはゆいの出て行った後を追う。 ゆいとエースの出て行った医務室は、比較的静かな時間が流れた。 「エース隊長、べた惚れね。」 「愛があっていいわよね。」 医務室を出たゆいは自分の部屋に戻った。 ほてった顔を手で覆い、気づく。 「あ、ティッシュ…」 そういえば、鼻血が出ていたんだ…とティッシュをとれば、もう血は出てこない。 ティッシュをごみ箱に捨て、エースが来るのを待っていた。 そのため、部屋の鍵は開けっ放しだ。 何故か、そんなに時間は経っていないのに、凄く長く感じる。 ジーンと痛む手首を見つめていれば、痛みはさらに強く感じる。 音もなにもない静かな部屋。 何故か急に淋しくなってきた。 エース、来ないかな? ずーっと白い包帯を見つめていた。 すると… 「きゃ……っ!」 後からいきなり誰かに抱きしめられた。 音がしてないから、誰も入って来てないと思い込んでいたゆいの心臓は跳ね上がった。 誰だか解らない恐怖感。 いやだ、と捕まった我が身を必死に解放させようとする。 だが、気付く。 「エー、ス……?」 エースの匂い。 エースの腕に、気づけばエースの気配がちゃんとした。 クルッと後を向けば、やっぱりエースだ。 「…ぷっ、はははっ 驚いたか?」 「も、もう…馬鹿っ!// 心臓止まっちゃったよ!」 「そりゃあ大変だな。 俺が動かしてやるよ。」 そう言えば、エースはゆいの左胸を揉みはじめる。 焦るゆいはエースの手を捕まえるが、止まりはしない。 ← | → |