必要で、不必要。(6/6) 「ゆいがいるだけで、俺は元気になれるっつー意味だ。」 ガシガシと何を考えているのか解らないゆいの頭を撫でる。 そうすれば、抱きついている状態のエースの頭なんか簡単に届くもん…っ!とエースの頭に仕返しする。 「…わたしがいない時は、どうするの?」 その質問に、つい吹いたエース。 馬鹿だなあ、と笑う。 「もしお前がいなかったら、お前がナースの勉強したって結局 知恵使えねぇじゃん。」 「あ、そっか。」 はは、と笑うゆい。 エースに単純って言う割には、ゆいの方が単純にできてる。 「でも、ありがとな。」 そう言ってエースはゆいに触れるだけの軽いキスをする。 ゆいの顔を覗けば、少しの間固まっていたが、すぐにまた笑顔になる。 「うん! …今はお勉強よりエースとこうしてたい。」 そう言ったゆいは、エースの胸に顔を寄せ甘えてくる。 「んだよ、さっきまで嬉しそうに用事だ用事だって言っときながら。」 「エースより大事な用事なんてありませ〜んっ」 「知ってる。」 エースが速答すれば、ゆいはチラリとエースの方を見る。 何かむかつく…、 目がそう言っている。 そんなゆいについ笑ってしまうエース。 エースが笑えば、エースの胸に頬を当てているゆいも一緒に動く。 「エース大人しくしてよ、」 「…人の胸借りときながら我が儘な奴だなあ。」 「うるさい〜。」 「じゃあ俺もゆいの胸借りようかな。」 ニヤッとしたエースはゆいの胸に手をやる。 ピクッと跳ねるゆいの反応も堪らない。 「!…ちょっとっ、どこ触ってんの!///」 「どこって、胸?」 「そんなの解ってる!//」 「俺はゆいに一言ことわったぞ。」 「誰も良いって言ってないし///」 「俺だってゆいに胸貸せって言われてねぇけど?」 ゆいは言葉に詰まる。 エースにはすぐに負けてしまう。 だから最終的にゆいはキッとエースを下から睨む。 エースにとって、それが上目遣いにしか見えないことはゆいは知らない。 昼間っからムラムラさせやがって。 小声で言ったエースの言葉は、ゆいの首を傾けるだけだった。 continue... ← | → |