必要で、不必要。(1/6) 「ふぁ〜っ」 「お、ゆい…エースとヤり過ぎで寝不足か?」 「ひゃっ!//サッチ、どこから来たの!?」 大きな欠伸をサッチに見られてしまったゆい。 ここは誰もいない医務室で、洗濯し終わったタオルを運びに来たゆい。 きっと先輩達はパパの所に行ってるんだ。 最近少しパパの具合が悪いそうで、念入りに掃除しろと言われる始末だ。 そんなこの部屋でついた溜息を、病人でも何でもなさそうなサッチはカーテンのついたベッドからいきなり顔を出した。 「まぁまぁ、あいつが熱くなるのはベッドの上だけじゃねぇから、勘弁してやれ。なんなら今から俺とこのベッドで…「ゆいいるか〜?」 サッチの言葉を掻き消すように、医務室のドアが開いた。 まぁ、この声を聞いて誰が入ってきたかは大体予想が付いた。 「エース、ここだよ〜っ」 「ゆい、」 エースはゆいの声を聞きつけ、ベッドのカーテン元のゆいを見つける。 カーテンからチラッと顔を覗かせるゆいがあまりにも可愛くて、そのまま胸の中に閉じこめた。 「エースっ///」 「あ〜、もう、お前って何でこんな可愛いんだよ〜!」 「意味分かんないよっ///」 抱きしめられるわ、髪をくしゃくしゃにされるわ、ナースの帽子が床に落ちてゆいは困った表情をする。 それでもエースが大好きで、すぐに笑顔に変わる。 「もぉ、エース///」 顔を近づけるエースに、ゆいは恥ずかしげな表情。 「んだよ? 誰もいねぇだろ?」 「それがいるんだよな。」 ゆいとは違う声… もっとゆいの声は可愛いはず… え? バッと声のする方を振り返るエース。 その視線の先には、やはりベッドにいるサッチ。 ← | → |