エースがいいから…(3/7) 「意外と広いな。」 荷物をとりあえず置こう、とホテルに入るエースとゆい。 値段は普通のホテルとあまり変わらないが、中は広かった。 ゆいも嬉しそうに色んなドアを開ける。 「ここなんだろ?」 と開ければトイレだったり、クローゼットだったり。 「おいゆい、ベッド広いぞ?」 ベッドにダイブするエースに、ゆいは笑った。 ダブルベッドってやつだ。 いつものエースやゆいの部屋のベッドとは違い、これならエースも狭そうに寝なくて良いなぁ、と思った。 「ふわふわだね。」 「大工に頼んで、ベッド変えて貰うかなぁ、」 「大工さんに良い迷惑だよ。」 ベッドに座るゆいを後ろから抱きしめるエース。 吃驚したのか、ビクッとなるゆいの身体。 「でも、狭い方がゆいと引っ付いてられるしな。」 「〜〜// エース、単純。」 「ああ、よく言われる。」 大きなベッド、照れる可愛いゆい。 今まで我慢してきたのに、このシチュエーションには勝てない。 ゆいをゆっくり押し倒せば、ゆいは少し不安げ。 「怖いか…?」 コクンと頷くゆい。 「あのね、 …はじめて、なの。」 そんなゆいに、優しくキスをするエース。 「大丈夫、優しくする。」 キュッとエースを掴むゆい。 そんなゆいの手に指を絡め、深く口付けるエース。 いつもしてくれる、エースの大人なキス。 この間は怖い思いをしたが、 そのキスに少し安心出来る。 エースだ。 この間の人達じゃない。 唇が離れれば、エースはゆいを見る。 「やめるか?」 エースの声に、パッとエースを見る。 やめたい、訳じゃない。 寧ろエースにしてほしい。 でも、怖い。 それでも… ← | → |