火拳のエースと小さなナース | ナノ

愛してるのは、ね?(4/6)








「ええっ、エース隊長ともうできてたの!?」



「やだ〜、何で言ってくれなかったの?」



島に上陸したモビーディック号。

それをエースの隣で見ていたゆいは「あっ」と、何かを思い出したように呟き、エースの手を引いて医務室へとやってきた。


どうしたんだ?と聞けば、ゆいは「先輩に島に降りていいか、聞かなきゃっ!」と言った。

そんなこと、聞くものなのか…
不思議に思うが、まぁナースのことはよく分からないので、ゆいに手を引かれるがままに医務室へ。


ナースは医務室に集まって、お喋りしていた。
そんな中、入ったゆいとエースには質問攻め。


そしてこの有様だ。



「この島で初デートね。
いいわよ、ゆいとラブホでも行ってらっしゃい。」



「な…っ///
なんでそんなことになるんですか!//」



「噂じゃログは4日ぐらいで溜まるらしいわ。
ゆいは初めての島だし4日間、仕事あけてていいわよ。」



「ほ、ほんとですか?」



「さんきゅー、な。」



「ええ、ごゆっくり〜♪」



ニコッと笑うナース達。
だが、ゆいのナース服を見て「…そういえば…っ」と付け足す。



「ゆい、私服持ってたかしら?」



「……な、ないです…っ」



ハッとなったゆいは自分のナース服を見る。

それにエースも、ナース達もゆいの服を見る。


それでは町を歩けない。

ゆいは、はぁ…と悲しそうな顔で溜息をついた。
よほど島におりたかったのであろう。


だが、ナースの一人は言う。



「ちょっといらっしゃい。
私、この間サイズ間違えて買った服があるから!」



似合うと良いわ、とゆいの手を引くナースにゆいの顔も明るくなる。

先輩の買う服は少し怖いモノがあったが、町に行けないよりマシだと思い、先輩の後を付けるゆい。


そんな2人を見るエースとナース。
部屋から出たのを確認したナースは、笑顔でエースに話しかける。



「これ、船長さんからよ。」



ある袋をエースに渡す。
受け取ればジャリッと音が鳴り、中にお金が入っていることが解った。



「本当はこの島に下りるつもりはなかったらしいけど、船長さんがゆいの生活するもん買ってやれって。
だからこの船は島に下りるらしいわ。」



「親父もゆいには甘いな。」



「ふふ、貴方が言う事かしら?
それにね、ゆいはこんなに良い環境で育てられてないらしいから…、遠慮気味になっちゃうかもしれないわ。
欲しそうな物は全部買ってあげてよ?」



ナースはウインクする。

良い環境で育てられてない、か。
少し引っ掛かる。



「ああ、任せろ!
…ゆいって前の島から乗ってんだよな?」



「ええ、そうよ。
…聞きたい?ゆいのこと…」



「そりゃな。」



そこにあるテーブルに腰掛けるナース達。

その顔は、先ほどのウインクと違って真剣な顔だった。



「エース隊長にだったら…いいわ。」






 








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