愛してるのは、ね?(3/6) 「むかつく野郎がこの船にも乗ってるんだなぃ。 俺も一発殴らなきゃ気がすまねぇよい。」 「ああ、次は二度とねぇように、てな…」 「だからここ最近、べったりなのかよい。」 「まあ、だからとかじゃなくて、単純に一緒にいたいのもあるんだけどな。」 「のろけ話なら聞かねぇからなぃ。」 マルコは笑った。 エースだって解っていた。 本当はマルコが先に見つけたゆい。 最初に仲良くなって、 多分、最初にゆいに恋してたんだと思う。 「何変なこと考えてんだよい。」 「ああ?」 ビクッとなったエースの反応に、マルコは苦笑した。 そして、船の先端で笑っているゆいを見て、穏やかな表情で言った。 「俺はあいつが幸せなら何だっていいんだよい。」 その言葉に、エースは苦笑した。 こいつは男として格好いい。 見た目とかじゃなくて、紳士だ… こんなにいい奴なんて、世界中探しても中々見つからないだろう。 大抵、損をするタイプの人間だけど、人に凄く好かれる… 「心配すんな、もう泣かせねぇよ。」 「泣かせたら、俺があいつのこと奪ってやるぞい。」 「やれるもんならやってみろ!」 「生意気いいやがって。」 ニカッと笑うエース。 すると、遠くにいるゆいが自分の名前を呼ぶ声が聞こえる。 「えーす〜、」 と小さく聞こえると、マルコは「言ってやれい、」とエースを押した。 短く返事をしたエースはマルコの元を去った。 マルコはそんな二人を見守りながら、掃除に戻った。 ← | → |