そんなの、いや。(6/6) 「ごめんな、こんな時に混乱するような事言って。」 悲しそうな表情を見せるエースに、ゆいはエースと目を合わせて言った。 「エース、 わたしエースが好き…っ」 ギュッとエースを抱きしめ返すゆいの腕。 エースにこのドキドキが聞こえそうで恥ずかしいけど、エースとこうしていたい。 「ほんとか？」 「うん…初めて逢ったときから、好きだって思ってた。」 「はは、奇遇だな …俺もそれだ。」 腕を少し放し、ゆいの唇にそっと自分の唇を当てるエース。 いつかこんな日を… と望んでいたのかもしれない。 幸せだ、 不幸の後に必ずやってくる幸せみたい。 軽くキスして、離れた唇。 「もう嫌っつっても放さねぇからな。覚悟しとけよ？」 「エースも、放さないでね？」 「当たり前だ、」 ニコッと笑うゆいに、もう一度唇を奪うエース。 今度は深く、深く、 ゆいにとってのファーストキスだった。 continue... ← | → |