そんなの、いや。(5/6) 「ゆい…?」 気づけば、エースの服を掴んでいた。 クルッと振り返り、こっちをみるエースに、ゆいは我に返り手を離す。 「あ、ごめん…」 「怖いか?」 エースの問いに、吃ってしまうゆい。 無意識に掴んでいたから、 でも今はちゃんと思う、 行ってほしくない 「…そばに、いて……」 弱々しいゆいの声に、エースはゆいをベッドに寝かせる。 そして、その横に自分の身体を寝かせた。 「…起きるまでいるから、心配すんな。」 なんでこんなに優しいんだろう… こんなの、まるで恋人がするみたい。 エースは何とも思ってないのかな? もし先輩のうちの誰かが私の位置にいても、きっとこうして添い寝していたのだろうか… 「…エース」 「ゆい、」 何かを言いた気なゆいを遮るエース。 ギュッと抱きしめられた。 今日、何回目だろ? なのにまだこんなにドキドキしてる。 「ゆい、好き。」 「え……っ」 「ゆいが好きだから、許せなかった。」 エースの突然の言葉に、ゆいは目を見開く。 見上げれば、エースはゆいの額に軽くキスする。 ← | → |