火拳のエースと小さなナース | ナノ

そんなの、いや。(3/6)








その時だった。
洗濯場のドアは声とともに開いた。



「ゆいいるか〜……」



聞き慣れた声、
凄く胸が高鳴った。



助かった。



男達はビクッとなる。

なぜなら、その声の主が…



「お前ら、何やってんだよッ!!!!」



怒鳴ると共に、こちらに来るエース。


エースの怒った雰囲気に、誰もが凍てつく。



男達はゆいから直ぐに離れ、ドア元へ逃げる。
そんな男達をエースは思いっきり殴った。



鈍い音に、思わず目を閉じるゆい。



それが終わり、エースはゆいに駆け寄る。



「大丈夫かっ!?」



ギュッとゆいを抱きしめるエース。


凄く落ち着く。
だが恐怖での震えは止まらない。



安心したゆいの目からは再び涙が溢れる。



「え、すぅ…っ」



エースの胸で泣きじゃくるゆい。



ゆいの頭を撫でながら、震えが止まるまで強く抱きしめるエース。



「ごめんな、見つけるの遅かった。」



「エ、スぅ……こわ、かった…っ」



「ああ、もう大丈夫だ。
もうあいつらいねぇから、」



伝わるエースの体温。
今までにこんなに気持ちが温かくなることがあっただろうか。


ずっとこうしていたい、

じゃないと、さっきの事を思い出してしまいそうで…



「こわ、かった…っ」



「、怖かったな…。」



エースの優しい声、


エースの優しい手、


エースの優しい心、






涙と震えが止まるまで、抱きしめてくれた。






 









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