そんなの、いや。(1/6) 「♪〜♪〜♪〜」 鼻歌混じりに洗濯機に向かい、洗剤の量を量るゆい。 夜、最後の洗濯をしているところだ。 夜に干していれば、朝には潮風によって乾いている。 慎重に洗剤を量り入れるゆいに、突然襲った鼻の痒み。 やばい、 「クシュンッ……」 洗剤を持った手に洗剤が着く。 それだけではない。 「うわぁ…入り過ぎだよ!」 洗濯機の中を覗けば、明らかに洗剤だらけになっていた。 こんなんじゃ、早く終わるものも終わりやしない… ゆいはため息を吐く。 仕方なく、洗剤の多く付いた服を取り出し、洗い落とす。 「…ついてないなぁ、」 これからは、くしゃみにも注意しなければならないらしい。 服を洗っていると、後ろから声がした。 「ゆいちゃん、一人?」 洗濯場に入ってきたのは、顔の知らないクルー3人。 マルコに加え、エースやサッチと言った顔の広い隊長達と仲良くしていれば、いつしやゆいの知らない人にまで声を掛けられるようになった。 すごく嬉しいことだ。 ゆいは手を止めて、クルーに笑みを向ける。 クルーが怪しい笑みを浮かべていることにも気付かずに… ← | → |