パパは白ひげ。(6/7) 「え、エース、驚かないの? もしかして、知ってた?」 ゆいはエースの顔を見上げる。 エースはあまり嬉しそうでない顔で笑って言った。 「それ、俺。」 「え………!」 次に凍てついたのはゆいだった。 まさか、と思ったが、エースの顔が嘘だと言ってない。 まずいことを言ってしまった、とゆいは小さく謝る。 「ごめ…っ」 「何で謝んだよ?」 「だって……エース、嬉しくなさそう。」 「まあ嬉しくは、ないな。 親父から聞いたんだろ?」 「うん……で、でもね、エース…」 ゆいは悲しそうな顔をする。 エースはバケツを置いて、その場に立ち止まった。 そして、ゆいの顔をちゃんと見る。 「どうした?」 「あのね、私の父親もね…赤髪海賊団の船長なの。」 「赤髪って…シャンクスか?」 言われてみれば、ゆいの髪も赤い。 シャンクスの遺伝なんだな、と思う。 「それを今、親父と話して泣いてたのか?」 「え、ばれてた?」 「バレねぇ訳ねーだろ、馬鹿。」 「ば、馬鹿じゃないよ、 …天才だもん。」 「そういうトコが馬鹿なんだよ。」 くしゃくしゃ、と頭をなでるエースの顔は笑っている。 エースの大きな手に撫でられると、胸がキュンとするけど凄く落ち着く。 「俺もな、」 「ん?」 ← | → |