パパは白ひげ。(2/7) 「なんかあったかァ?」 「う〜ん、ふふ♪ 楽しいの、いろいろ〜」 幸せそうに笑うゆい。 拾ってきた時とは大違いだ。 今、こうして幸せそうに笑うゆいを見て、少し安心する白ヒゲ。 彼女をこの船に乗せて、少し心配していた。 野郎の多い中、上手くやっていけているのか… ナースの中で姿が浮くが、大丈夫なのか… 元々ナースでないゆいはきっと雑用しかしていないのに、毎日辛い思いはしてないだろうか… 何より、ここをゆいが居場所だと思ってくれているかだ。 そんなことを考えている自分は、本当にゆいの親父みたいだ、と自分で呆れてしまう。 「パパはさぁ、」 「あァ?」 「パパは私がいてもいなくても、変わらなかったよね?」 いきなり何を言い出すんだ、こいつァ。 ゆいの顔を見れば、いつも通りである。 悲しいわけではなさそうだ。 「グラララ、ゆいからはそう見えんのかァ?」 「そ、そうじゃないの!?」 焦るゆいに、仕舞いにはグラララとまた大きく笑う白ヒゲ。 変わる要素、ないじゃん…!と必死なゆいに言った。 「俺ァ変わったつもりはねぇけどよ、息子達やナースから見れば"丸くなった"っつわれてんだよ。」 「え…、パパは先輩の前だったらいつも丸いじゃん!」 「なんてーかよ、ゆいはナースと違って本当の"娘"みたいに見えて仕方ねぇ。」 グラララ、と笑うと、後ろからお酒の入ったビンを口に付ける白ヒゲ。 ゆいも嬉しそうにニコニコ笑っていたが、お酒のビンに気付き頬が膨れる。 誰よりも単純な奴だ。 「もぉ、油断も隙もないんだから…!」 「ちったぁ許せよ。」 「だーめっ! パパには長生きして欲しいの〜!」 怒ってるのか、 励ましてくれてるのか解らないゆいの一言。 まあゆいに世話を焼いている限りは、早死にできねぇな、と笑う白ヒゲ。 ゆいも「もぉ、」と言いながら、掃除の続きをする。 ← | → |