火拳のエースと小さなナース | ナノ

しあわせ、ばれてる?(5/6)








「…エース隊長、ずりぃぜ。」



「いいな〜、
俺も顔にピラフ付けよっかな。」



「おい、相手は隊長3人だぞ!?」



ゆいの話題が密かに食堂中に広がっていく。
そして、『小さなナース』は船の隅から隅まで広まっていくのでした。














「エース、いる?」



ゆいは少し大きめのパン1つを食べると、他の食事を横のエースへと流した。

勿論、何も手は付けていない。

その状態に、エースだけでなくマルコやサッチまで目を疑う。



「お前、ほんとに足りんのか?」



「うん、もう凄く食べた気分。」



「もうちょっとくらい食べとけよい。」



「本当にもうお腹いっぱいだよ?」



「腹減るぞ?」



「いつもこれぐらいだよ。」



ゆいは水を飲み、もう食べれないよ、と首を振る。

確かに、こんなに小さい少女に男に合わせた量のメニューを食えと言っても難しいだろう。


残るのは解る、
だが半分以上残ったプレートを3人は見る。

だがエースは一人笑って受け取る。



「んじゃ遠慮無く。」



「「遠慮しろ(よい)ッッ」」



それでもフォークを持ったエースの手は止まることなく、皿の上の料理は数分で綺麗になくなった。

それにゆいも感動するが、そんな2人に呆れるマルコとサッチ。


「ごちそうさま」とゆいは手を合わせ、言った。



「今日はありがとう、
いつも一人だったから楽しかったよ。」



「心配すんな、明日から呼びに行ってやるよ。」



「…え、本当に?」



「毎日一人で食事なんてつまんねーだろ?」



ニカッと笑うエース。
それに嬉しそうにゆいの姿。



この二人の空気に、
薄々気付いていた前席の二人。



「…こいつら、」



「だろーなぃ。
まあ目一杯邪魔してやれよい、サッチ。」



「思ってもねぇこと言うなよ、マルコ。」



鼻で笑いながら、テーブルに置いてある自分のグラスの水を飲み干すマルコ。

二人に聞こえないような会話をサッチとする。



「エースに譲るのは惜しいが、まあそんでゆいがいいんならいっか。」



「らしくねぇ事言うんじゃねぇよい。」



「お互い様だよな。」



ははっと二人して笑うと、気になったゆいは二人の方を向く。




 










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