しあわせ、ばれてる?(2/6) 「そういやぁゆい、いつもこの時間じゃないよな。」 サッチは聞けば、嬉しそうにゆいは頷く。 「今日はエースとマルコが誘ってくれたの。 いつもこの時間は男むさいから行かないほうがイイって先輩が言ってたから…」 「先輩…?」 「ナースだ、ナース。」 「ああ、言われてみれば…ゆいはナースか。」 「酷いなぁ! ナースにしか見えないでしょ?」 ゆいは自分の服を見る。 これがナースでなければ何なんだ、と。 だが、エースもサッチも返事をしない。 それにムスッとするゆい。 「もういい! マルコなら私の見方してくれるもん。」 拗ねるゆいに笑うエースとサッチ。 男の気を引くには十分な言動だ。 尤も、ゆいにその気があるとしたなら。 そこに食事のプレートを持ったマルコがやって来て、サッチの隣に座る。 「救世主の登場だな。」 サッチの言葉に「?」となるマルコ。 そんな3人をお構いなしにエースは食事を目一杯口に放り込む。 「ゆいはナースっぽいか?て話してたんだよ。 実際のところ、どーなんだマルコ?」 「はぁ? まあ見えないってこたぁねーけどよい。」 けどよい?とゆいは言い返す。 ゆいの顔が徐々に曇っていくのを感じたマルコは焦りはじめる。 それをサッチは面白げに見る。 「もういい、 どーせ私、雑用ばっかでナースみたいな仕事ろくにしてないですよ!」 「そこかよ。」 もっと見た目的なことを感じてほしかった訳だが、ゆいは何事もなかったかのようにマルコの持ってきたプレートのパンを頬張る。 小さな口でパンを食べるゆいの横を見れば、エースの大食いっぷり。 思わず苦笑する。 ← | → |