火拳のエースと小さなナース | ナノ

歪んできた日常(7/7)








ふと、やはり気になったエースは聞いてしまう。



「何でそんなに焦ってたんだよ?」



あえてマルコが聞かなかった事を、エースはストレートに聞く。
それにビクッとなるゆい。



「そ、それは…ほら…」



昔から嘘が苦手なゆい。


勿論、そんな事など知らないエースはじーっとゆいを見つめる。



明から様に目を逸らすゆいに、見つめるのを止めるエース。



「なんだ…?
まぁ言いたくないならいいけどな。」



助かった、とホッとするゆいを見落とさないマルコは苦笑した。



「あ、そういえばどうしたの?
部屋まで来て…」



何かを思い出したようにゆいの口から紡がれた。

ああ、忘れてた。とエースは解りやすい反応を見せる。



「いや、飯一緒に食わねぇか?て思ってよ。」



「…いいの?」



「それを俺らが聞いてるんだよい。」



「あ、そっか。」



ははっと笑うゆい。
それに優しく微笑むエースとマルコ。



「おし、早く行こーぜ、
俺今腹減って死にそうだし。」



「エースはいつでもだろーがよい。」



「はは、わざわざ迎えに来てくれてありがと。」



右手にエースの手、左手にマルコの手を握るゆい。

いきなりの行動に焦る2人だが、ちゃんとゆいの手を握り返す。



「ちょいとこの図はまずいんじゃねぇかい?」



間接的にエースと手を繋いでいる事を考えるマルコ。

まあエースはそんな事は気にせず、嬉しそうな表情だが。



「ん〜、じゃあマルコの手は離そうか?」



「そうしろ、ゆい。」



「お前が繋いでなかったらまずくねぇんだよいッ!!!」



思わずエースに突っ込むマルコ。

だがマルコはゆいの手をしっかり握っていて、離す気配はない。



「仲いいなぁ〜、二人とも。
わたし邪魔かな?」



「「やめてくれ(よい)!!」」



「仲良しだ〜」



無邪気に笑うゆいに、引っ張られる感じで連れられ、食堂へと手を繋ぎながら行った。











continue...










|






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -