火拳のエースと小さなナース | ナノ

歪んできた日常(4/7)








「赤なんて刺激的よ。」



「あ、こっちの紐の薄地なんて、魅力的よ。」



一つ取ってはゆいに重ね、ニヤニヤ笑う先輩達。

穏やかなティータイムは一生来そうにない。



「だーかーらー、先輩ッ!!
わたし着ませんから!」



ムッとしながらレモンティーを飲み干すゆい。


早く仕事に戻ってしまいたい、と立ち上がると、



「それは許されないわよ。



あ、そうね……」



んー、と何かを考える。
どっちにしろ、良いことは考えてなさそうだ。



人差し指を唇にあて、ウインクするナース。



男の人はこれにオチていくんだ、と改めて恐ろしさを知るゆい。



「諦めてあげてもいいわ。」



意外とゆいの望むような返事が来たので、ゆいは目を丸める。

まさか、こんなに鬼畜な先輩は今回ばかりは過激さを分かってくれたのだろうか。



そんな甘い考えに浸ったゆいは馬鹿だった。



「ただし。」



雷が落ちるような効果音がゆいの頭に響く。

一瞬の幸せな一時を返してくれ、と失望する。



「何ですか?」



やらなくてもいい可能性があるのなら、と聞き込むゆい。
ナースは笑ってゆいに言った。



「私たちとゲームしましょ。
負けたらゆいがこの下着を全部買い取ること。」



え、今この人、何て言いましたか?



「…か、買い取る!?」



「ええ、そうよ。」



「せ、先輩、
もしかして荒稼ぎが最初から目的じゃ…!」



「あら、失礼ね。
これは純粋にゆいとエース隊長を思ってやってるのよ。」



そう言って、麻雀の台を用意するナース。

もちろんナースは、ゆいは麻雀が弱い事を知っていてだ。



「さあ、始めましょ♪」







 








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