火拳のエースと小さなナース | ナノ

悪いものは悪い(1/6)








朝早い時間…医務室のナースメンバーが集まりはじめる時間、いつもは遅くなるナースまでもが珍しく揃っていた。


医務室のテーブルにに鏡を立てて、数人がメイクをし始める。


既に化粧し終えたナースはペラペラと晩の熱い話を語りだす。


基本的に朝が弱いゆいは、この時間の30分後くらいに顔を現すのが普通だ。

その頃に仕事を始めだすナース達。


故に、ゆいがいくら集合に30分遅刻して来ようが、誰もゆいを遅刻者だとは言わない。



口紅を塗り、最後の一人か完璧に化粧をし終えれば、珍しくも医務室の扉は開いた。


ナースの目は扉へといく。

誰もがゆいの早起きだと思っていたが、それは少しだけ違っていたみたいだ。



「おはよーさん、ナースの姉ちゃん達。」



「………エース隊長?」



ナース達は目を見開く。


予想と違っていて…しかも、怪我などあまりしないエースがこんなに朝早くに医務室へとやってきたのだから。


ズカズカと医務室へと入って来て、いつもゆいが座る席へと腰を下ろすエース。


そんな彼の頭には、可愛らしい寝癖が立っていた。

どうやら朝、ゆいとは喋っていないのだろう。


ナースはコーヒーを入れてエースの周りに座りだす。こうしてエースがゆいの席に座るということは、何かしらの話があると言うこと。


ナースが出したコーヒーを啜るならエースは一言言った。



「俺、怪我人なんだ。」



「あら、珍しいですわね。」



「今日は珍しくこんなに朝早く…頭の怪我かしら?」



「姉ちゃん達、酷くね?」



くすくすと笑うナース。


ロギア系の能力者であるエースが怪我人だなんて例が少ない。

攻撃は全て体を透け通ってしまう上に、こんなに早朝にする怪なんて大体予想がついたりする。


ナースの目つきからエロさが出てくれば、エースはニッと笑って腕を立てた。


そしてナースに分かりやすいように、見てほしい所を反対の指で指差す。



「ちょいと猫に噛まれてな、」



エースの腕には、確かにまだ新しい歯型が残っている。


少し強く噛まれたのか、くっきりと赤く残る歯型。


誰がやったのか、そんなことを今さら聞くような者はここにはいない。




「ふふ、容赦なく噛まれたのね。」



「ああ、さすがに俺でもあれは痛かった。」



「ダメね、ご主人様を噛むだなんてお宅の猫ちゃんは躾がなってないわ。」



「ほんと、今晩のプレイは決まったわね。」



朝から濃い話をなんの抵抗もなくのってくる女はここにしかいないだろう。


そうね、まずは首輪なんてどう?

そこらどう攻めるか、ナース達は事細かに話し合い、盛り上がっていく。


ここに自分が入れないと毎日嘆いているゆいに、少しだけ入らないで欲しいと願う自分がいたり。


ゆいにはまだ恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていてほしいから。
















|






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -