はじまりのいたずら(4/5) 「…クローゼットの右から2番目をみて?、だと?」 エースはメモ用紙を剥がして、言われるがままク右から2番目のクローゼットを開く。 そこにも、同じ様な紙があった。 「…ベッドの下、」 ベッドへ視線を向ける。 まさか、と思い、ベッドの下をみれば… 「またかよ…、ドアノブ。」 部屋のドアノブにまで、紙が貼ってあった。 何故気づかなかったのか、と思いつつも、ドアノブの紙を見る。 「…枕の下、」 完全に遊ばれている、そう思ったエースは、後でゆいに何をしてやろうか考えながら枕の下を見る。 だが、そこには… 「…食堂の冷蔵庫だと!?」 ついに部屋の外まで出てしまった。 くそ、ゆい… これを企んで、テープが欲しいだの言ってたのか。 まあこんな事をするゆいが少し可愛いと思えたのは内緒だが。 サッチが夕食の準備をする食堂へ、エースはズカズカと入って行く。 サッチは来たか、とでも言うような顔でエースに初めて食堂の冷蔵庫を開けることを許した。 冷蔵庫を開ければ、真っ正面の牛乳ビンにまたメモ用紙が貼付けてある。 「…サッチにきいて、って何だよ?」 肉を器用に切っているサッチの元へ行き、ニヤついてるサッチを一発殴ってエースは聞いた。 「ゆいの奴、何か言ってたのか?」 「ああ、まあ伝言は預かってるぜ。」 「なんて?」 「ティーチに聞け、だと。」 「はあ? まさか次は人探しかよ!」 「お前も可愛い彼女がいて幸せもんだな!」 「まあな! 邪魔して悪いな、」 「おう。」 そう言ってサッチのいる食堂を出たエース。 次はティーチかよ、これじゃゆいを探した方が早い気がしてきたが、自分でもよくわからない意地があり、ゆいよりティーチを先に探す。 そんな自分の考えまで知ったゆいに、嵌められてると思いながらも。 「ゼハハハ、よおエース隊長。」 食堂をちょっと出たところで、ばったりティーチに会ったエース。 ラッキー、と思いティーチに尋ねる。 「ゆいから伝言、貰ってねぇか?」 「ああ、あるぜ。 ハルタに聞け、だとよ。」 「次はハルタかよ! サンキュー、ティーチ。」 「ゼハハハ、しっかりな。」 こうしてエースはニ十数人のクルーにゆいの伝言を聞き回った。 広いモビーディック号の中なのに、何故か伝言で聞いた人物はすぐに見つかった。 そこはゆいの気遣いであろう。 ならば何故こんなことを自分にさせているのか、聞きたい。 まあ、とりあえず次のマルコに聞いてみるか。 と、マルコの居場所を探す。 ← | → |