はじまりのいたずら(3/5) 次の日、ある事を思い付いたゆいは、やたら嬉しそうな顔でテープを探していた。 その様子を見たエースは、ゆいに聞く。 「何してんだ、ゆい?」 「うわ、エース…っ! ひ、秘密〜っ!」 「お、おい、ちょっと待てよ。」 エースに解りやすい焦りを見せたゆいは、エースからスタスタと逃げて行った。 それに隣にいたサッチは笑った。 「ついにフラれたなあ、エース! サッチ様の勘では、ありゃ浮気だぞ?」 「んなわけあるか、 テープ探す浮気って何だよ。」 「いや〜、ゆいはそーゆープレイが良かったんじゃね?」 「お前なあ…っ」 エースをからかうサッチ。 エースから見れば、あれはゆいが何かを企んでいる焦り方だった。 まあいずれ気付くだろう。 気になるところだが、今から白ひげの所へ行くエースからしたら、さすがにゆいの企みを優先するわけにはいかなかった。 ゆいの走って行った方を見て、その場を後にした。 エースが船長室の前に居たって言うことは、今から用事だろう。 チャンス、とエースの部屋へと忍び込み、紙とペンで作業を始めた。 我ながら良いアイディアを思い付いたものだ、と笑いながら一人、企画完成後の部屋を後にする。 後は次々と人に話しかけた。 「あ、サッチ!」 「おお、ゆいか。 どーした、エースに飽きたか?」 「飽きないから大丈夫! それよりサッチ、頼み事したいの。」 「?」 「実はね……」 サッチに耳打ちするゆい。 身長の差が酷いので、サッチは少し膝を折り、ゆいは背伸びをしている。 ゆいが話せば、サッチは笑って快く引き受けてくれた。 同じ事を沢山のクルーに告げたゆい。 そして自分は医務室の掃除に戻った。 エースは先程のゆいの企みを少し気にしながら、後でゆいの部屋に寄ろうと自分の部屋に戻った。 疲れた、とベッドに腰を下ろすエースの視線はたまたま机へと行った。 そして見えた。 今朝までは何も置いていなかった机の上に、紙が置いてある。 「ゆいか?」 そう思い、下ろした腰を上げて机にある紙の元へ行く。 メモ用紙の様な小さな紙。 そこには… ← | → |