火拳のエースと小さなナース | ナノ

弱いんですよ。(6/7)








ガチャとゆいの部屋の開く音で目が覚めたエース。

そこに立っていたのはナースだ。



「調子はどう?」



「多分ゆいは今日、動けねぇと思うぞ?」



「二日酔いの頭痛かしら、それとも腰かしら?」



怪しく笑うナースに、エースも笑みで答えてやった。



「両方だ。」



「だと思ったわ。
とりあえず頭痛薬は置いていくから、ちゃんと看病してあげてね。」



そう言ったナースはテーブルに頭痛薬と水の入ったコップを置いた。



布団はかぶっているものの、裸でベッドで二人が寝ているにも関わらず、顔色一つ変えないナースに苦笑が零れる。

まあナースに赤くなれと言うのも違和感があるが、まだ上半身ですらベッドの上でいる自分を直視できないゆいにも見習わせたいものだ。


まあ可愛いからいいけど。



出て行ったナースを見て、まだすやすやと気持ち良さそうに眠るゆいにキスを落とす。



きっと目が覚めたら地獄だろう。

だが、今日一日はその地獄のお陰で一緒にいれそうだ。



「んん……エース?」



「おはよ、ゆい。」



ニコッと笑おうとする表情が一気に曇った。

ぎゅっと目をつぶりながら起き上がろうとするが、腰の痛みがそれを許すはずもなく。



「エースの馬鹿…っ//」



「なんでそうなんだよ。」



「立てないもん…!//」



「まあ確かに5ラウンドはさすがにヤりすぎたな。」



はは、と笑うエース。
頭痛の中、エースを睨んだ。



ポンポンとエースの手がゆいの頭を撫でる。

痛いはずなのに、なぜか頭は痛まない。



「ちょっと待ってろ。」



そう言ってベッドを出たエース。


そんなエースを見ようとするが、何も着てないエースについ目を逸らしてしまう。
恥ずかしい。



頬を赤くするゆいを横目で見ていたエースはまた苦笑した。


先ほどナースが置いて行った頭痛薬と水を持って、またベッドへ戻る。






 









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