弱いんですよ。(5/7) 明らかに甲板はそっちから行けない。 寧ろ自分の部屋の方だという、ナイスな方向。 「ゆい!」 後ろから呼べば、ゆいはビクッとなって振り返った。 「え〜す〜♪」 ニコニコと笑い、真っ直ぐエースの胸に飛び付くゆい。 完全に酔っている。 「お前、どこ行くんだよ?」 「かんぱんだょお?」 「甲板はそっちじゃねーだろ、全く。」 「えへへ、まいごだぁ〜」 何が迷子だ、 我慢する身にもなれよ…っ ゆいをひょいと持ち上げれば、ゆいは小さくきゃっと声を上げる。 そして、歩き出す。 「えーす?」 「ああ、どうした?」 「そっち、かんぱんじゃないお?」 ゆいの上目遣いがチラリと見える。 これもきっと無意識なんだろう。 勿論、甲板へ行くつもりなんてこれっぽっちもなくて。 行き先は、 「1番近いお前の部屋で、酔い醒まそうな。」 「ふぇ?」 着いたゆいの部屋のベッドで、エースにたっぷり可愛がられたとか。 ← | → |