火拳のエースと小さなナース | ナノ

弱いんですよ。(4/7)








徐々に顔が熱くなる。
酔っているのか、身体がくらくらする。


どうやら自分はお酒に弱いみたいだ。


だが隣に座る先輩ナースはそんなゆいの事を気にせず、空になったワイングラスにワインを注ぐ。



「あ、先輩…もう飲めませんっ」



「なに言ってるのよ、まだ1杯目でしょ?
遠慮しないで飲みなさい。」



隣の先輩や目の前のエースはお酒に強いみたいで、全く動じてない。

ゆいもこの空気に乗らなければ、とワインを口にする。



盛り上がる合コン。
誰一組もまだ消えていない中、ゆいはクラッとする頭を抱えながら、立ち上がった。



「ちょっとそろのかれにあたっれきまふぅ…」
(ちょっと外の風に当たって来ます。)



何を言ったのか解らないが、ゆいは外に出た。

それを見たエースは笑う。



「ゆい、だいぶ酔ってるわね。」



「ああ、俺もちょっくら行ってくるぜ。」



「いってらっしゃい、エース隊長。

…優しくしてあげなさいよ。」



「おう、任せろ。」



ゆいの後を追うエース。

酔っていたのは知っていたが、あそこまで酔っているとは思わなかった。


あれじゃ途中で誰かに会ったらまずいだろう。



赤くなった頬に、酔って更に可愛い声。

思い出しただけでも我慢できないくらいだ。



「…つかゆいのやつ、ちゃんと甲板まで行けてんのか?」



そこから心配しなければならない。

酔ってフラフラなゆいが、真っ直ぐ歩けているとも思えない。




甲板へ行く道を一旦立ち止まり、すぐ右を向いた。



「…いた。」




 










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