火拳のエースと小さなナース | ナノ

弱いんですよ。(3/7)








夜の食堂で開かれるらしい。
それと、エースと一緒はダメらしい。


女は女で一緒に入っていくから、いったんナースは医務室に集合しろ。

それに従い、ゆいは仕事が終わった後、着替えて医務室に行った。



エースと会ってないのが、少し変な気分だ。
いつもはすぐにエースが来たり、エースの所へ行ったりするが、今日のルールはエースもきっと知ってるのだろう。


ナースに連れられるがまま、食堂へとお邪魔した。



食堂へ入れば、真ん中の席だけに料理が並んでいて、男達が並んでいた。

各隊の隊長と、隊長の掘り出し物のクルーだ。



いつもと違う感じの食堂にドキドキしながら、ナースに続いて1番端のエースの席の前に座る。


今日、久々に見たエースはこっちに微笑みかけた。

それにゆいも笑う。



変な感じだ。
こんなにエースが近くにいるのに、自分とエースの間の少し高級そうな料理が大きな壁になってる気がした。


まあ数分後にはエースが全部食べてしまう事は目に見えているが。


グラスにワインやビールが注がれ、乾杯されるとお喋りが始まった。


ゆいも抵抗感はあるものの、ワインを口に含んだ。



「ん?もう食っていいのか?」



相変わらずエースはエースらしい。

食事を前にして、ずっと我慢していたのだろう。
嬉しそうに食べはじめる。



「ゆいちゃんって、いつからこの船に乗ってるの?」



エースの隣の優しそうな男性がゆいに声をかけた。
ゆいはニコッと微笑み、言った。



「ん〜、3ヶ月とちょっと前です。」



「へぇ。」



「まあその3ヶ月とちょっとの間で、ゆいは既に俺の女だけどな。」



横から殺気掛かった声が聞こえる。

きっと男性はエースの隊の人なんだろう、苦笑しながら扱いには慣れてるような感じに丸く修めていた。



「もう、エースったら…!」



「んな怒んなよ。
ゆい、酒注いでくれ。」



「はいはい。」



向かい側のエースに酒を注ぐゆい。



こうしてみればまるで夫婦みたいだ。

ゆいの注いだ酒にエースも満足そうに笑う。

ゆいも手元のワインを口にする。




 










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