火拳のエースと小さなナース | ナノ

先輩とレモンティ(3/8)








賑やかなティータイムに、一人の来客者が訪れた。



コンコン…



内側から返事もする間もなく、誰かがやってきた。



「ゆいいるか〜?」



聞いたことのある声、
そして何より自分の名前を呼ばれた事にドキッとしたゆい。



遠慮なく入ってきたのは



「…エース隊長」



まさに、今、最もこの場に来てはならない者だった。



ナース達は一斉にニヤニヤし始める。



ああ、ダメだ。
人生の最期が見える気がした。



「…ゆいなら昼から仕事ないから、十分使っていいわよ。」



いやいやいや、待ってよ先輩。
朝、私にあれだけ洗濯やれと押し付けておいて、それはないでしょ…。



しかも、使うって…
一体私は何なんですか…



まあ結果的に洗濯物の地獄は免れるが…


明日のティータイムが怖い。



「そっか。
ちょーど良かったぜ。
んじゃ、遠慮なく借りてくぜ。」



「え、ちょ…っ」



先輩に部屋から押し出されたゆいは、見事にエースの腕に掴まる。



嬉しいんだか、恥ずかしいんだか…



「…エース隊長、どーしたんですか?」



何の用ですか、と聞けば、エースは何も答えず、ただ早歩きでゆいを連れ去る。







 









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