火拳のエースと小さなナース | ナノ

おやすみのキスをしよう。(3/6)








「俺の方がまだゆいと一緒にいてぇんだよ。

ゆいと一緒に生きたい。」



間近で聞こえるエースの声。

ゆいの心臓はドクンと波打つ。


離れてた分、重みを増すその言葉。
なんだか胸が熱くなる。



「ゆい、愛してる。」



「わたし、も…愛してる…っ」



何度もエースから告げられたし、何度もエースに送った。

でも今は新鮮に聞こえて。
何よりも欲しくて、何よりも伝えたい想いで…



何度もゆいに口付けをするエース。



ゆいの服にゆっくりと手を掛ける。


久しぶりに触れたゆいの身体は、やっぱり一番最後に抱いた身体とは違うくて。

ゆいの服を上へとずらし、胸の少し下まで捲り上げた。


ゆいの身体を見たエースは絶句した。







「ゆい、これ…」




「ほんとはね、治るまで見て欲しくなかったの…っ」






エースから顔を逸らす。

エースの嫌がる顔が見たくない。




最後にエースが見たゆいの身体は、綺麗な白い肌だった。







だが今はその綺麗な白い肌に、痛々しい痣や傷口が多数あった。




新入りナースにやられたのだろう。





エースの胸はグッと痛む。

自分が目を逸らしてしまった事で、ゆいはこんなに傷ついていた。
痛い思いをさせていたのに、それすら気付いてあげようともしなかった。


捲り上げられた服を下ろそうとするゆいの手を、エースは掴む。


だが、その手はエースの手を拒んだ。



「嫌でしょ、こんな……汚い身体…っ」



「…んなわけあるかッ!!」



いきなり感情的に出たエースの声に、逸らされたゆいの顔は再びエースへと向いた。


一番大きな痣に優しく触れる。
そして唇を付けた。



「ゆい…ごめんな、痛かっただろ?」



ゆいは頑なに首を横に振る。

溢れる涙はどうも嘘をつかないらしく、それを隠すためにゆいの手は目元へといった。




 











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