火拳のエースと小さなナース | ナノ

海に消えてしまう前に…(3/6)








「はぁ……はぁ……っ」



「…馬鹿……っ」



壊れそうなエースの声に、グッと胸が痛む。

でも今は苦しい痛みではなくて…



「エースも…馬鹿だよっ
泳げない、くせに…っ」



「うるせぇよ、」



いつものエースの声だ。

やっと、戻れるのかな…?



そんな事を考えていると、マルコが飛んできた。

すごくホッとした顔で。



「お前ら2人は…全く。」



手を差し出したマルコに、ゆいを預けようとするエース。

だがゆいはエースを見た。



「エースを先に上げて、」



「お前っ」



「大丈夫、わたし沈まないって約束するから…

エースは泳げないのに1人でいないで。」



「…ゆいの言う通だよい。」



ね?とエースに笑い掛けるゆい。

先ほど手をかけた頬が痛そうだ。



エースはマルコに連れられて、甲板に上がる。

濡れた身体の水をもお構いなしに、手すりからゆいの様子を直ぐに見に行った。



マルコに引き上げられ、甲板へ到着するゆい。



疲れたゆいはその場に座り込む。そんなゆいをエースはきつく抱きしめた。



「…ごめんなっ」



「…エース、わたし…!」



「ごめん……ほんと、ごめんな…っ」



エースは泣いている。

また…エースはわたしの胸を痛めるつけるの。


エースの背中に手を回す。



止まった筈の涙がまた視界を滲ませる。



「…もう、死にたかったのっ。
なにも、かも…なくなった気分で……ヒクッ…」



「馬鹿…お前、嘘でも んな事言うんじゃねえ!

俺が悪かった…何にも気付いてやれなくて…何にも聞いてもやらなかった。
ただ俺の目の前からお前がいなくなるのが嫌で…腹が立って…傷付けた。」



「エース…」






 









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