海に消えてしまう前に…(1/6) 痛む頬に刺さる風。 今日も快晴だ。 マルコとの約束、破るね。 ゆいは靴を脱ぎ、手すりに手を掛ける。 次は落ちる為の覚悟なんて、いらなかった。 だって、エースに言われたから… 「ちゃんと消えるよ…エース。」 何でだろう… 凄く胸が痛い。 もう、終わったのに。 エースの中には悪い思い出のわたししかいない。 そんな悲しい事、考えたくないよ。 先輩には悪い事したな。 最後にティータイムに参加したかったな。 でもわたしの場所は今はない。 マルコやサッチにも、仲良くしてくれてありがとう、て言いたかった。 最後まで応援してくれてたのに、結局ダメだった。 でもサッチ、エースの機嫌は良くなると思います。 パパにせっかく拾ってもらったのに、わたしは弱いんです。 今までありがとう。 エース… エースがどんなにわたしの事を嫌いでも、憎くても、消えて欲しくても… わたしはエースと出会えてよかったです。 初めて暖かさを知りました。 愛してます。 皆さん、さようなら… ← | → |