火拳のエースと小さなナース | ナノ

天国から落っこちた天使(6/8)








小走りでエースの元へ向かうゆい。

まずは、エースの部屋へ行く事にした。



たぶん、探しててくれてたんだろうな…
そう思えば、少し嬉しくなる。


エースはゆいを嫌いになれない…



そんなマルコの言葉を胸に響かせながら、エースの部屋の扉を叩いた。



コンコン……



「…誰だ?」



中からするエースの声。

ドキドキと緊張する。



本当に言っても大丈夫なのか。
信じてくれるだろうか…



そんな事を思いながら、ゆいは返事をした。



「エース、わたし。」



「ゆい、」



開いたドアに、久しぶりにエースをちゃんと見た。


少し疲れている様にも思えた表情に、ゆいはエースの頬へと手をやった。



すると、パンッと掴まれた右手。



え、と目を丸めるゆいに、エースはゆいを中に入れて、部屋の扉を荒々しく閉めた。



ギュッと握られた右手に痛みを感じ、恐怖感が芽生える。



無言のエースはゆいの手を引いて、そのまま自分のベッドに放り投げた。



弾むベッドに、少し痛みがくる。


そんなのお構いなしに、エースはゆいの上に被さった。



「エー、ス……?」



「黙れ。」



怒ってる。

荒々しく口付けられれば、服の上から乱暴に揉まれる胸。



怖い。
エースじゃない。



まだ痣も治ってないのに、こんな身体をエースに見せられる訳がない。



ゆいの目からは大粒の涙が溢れた。




 








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